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 人間には、「悪」に憧れる側面が、誰にもあるのではないでしょうか。

 学校では、まじめな優等生タイプよりも
ちょっとワルそうな学生が、女の子にモテたり、
大学生にもなると、きれいで、さっぱりとした格好をやめて
みな、うっすらとヒゲを生やし、髪を染めてみたり・・・

 もちろん、少年たちにとっても
「悪(=大人)」の匂いはいつでも憧れの的であり、
「シガレット・チョコレート」で、タバコをふかす真似をしてみたり、
大人のふりをして、ガラガラ・・・ペッと、路にツバを吐いてみたりした経験は
多分、誰にでもあるのではないでしょうか。

「ウルトラシリーズ」でいえば
ウルトラマンよりも、むしろカッコいい「怪獣」が好きになったり、
「ライダーシリーズ」でいえば
ライダーたちを苦しめた強い「怪人」が
翌日の教室の話題になったり、といった点から考えても、
おそらく人間には、小さい頃から
「悪(の強さ)」に憧れる部分があるにちがいありません。


 ということで、今日のテーマは、タカラの「キングワルダー1世」

 御存知の方も多いと思いますが、この「ワルダー」は
「変身サイボーグ」の敵役として発売された商品でした。

 子供の頃の私は、ワルダーの全身から放たれる、「悪」のオーラに魅せられて、
サイボーグ用の「変身セット」(ウルトラマンやマジンガーZなどがあった)を買う前に
ワルダー用の「怪人セット」や「武器セット」を揃えたのを覚えています。


 もちろん当時の子供には、4種のワルダーを全色そろえる、などという
贅沢は許されていませんでしたから、
写真のものは、当然、大人になってから、ひとつづつ買い集めたもの。


 大人になると、仕事に追われるとか、ストレスがたまるとか
あまり良いことがないようにも言われていますが、
少なくとも、自分の好きなものを買う余裕ができたことだけは
大人になって良かったことなのかもしれません。