

押井守監督のアニメーション映画「攻殻機動隊」が
「マトリックス」に大きな影響を与えたことはあまりにも有名ですが、
「ブレードランナー」以降のすべてのSF映画が
「ブレードランナー」を抜きにしては語れなくなったのと同様に、
「攻殻機動隊」以降のサイバーSF映画もまた
この作品抜きには語れなくなった、と言ってもよいかもしれません。
(なお「攻殻機動隊」の続編「イノセンス」は、
比較的シンプルなストーリーと、難解なセリフとを
圧倒的な画面の緻密さで覆い尽くしてしまったかのような、不思議な作品でした)
一方、その原作となった士郎正宗の同名マンガは、
初めて発表されたのが、いまから二十年近く前とは思えないほどに
先見性に満ちた設定とストーリーの作品でした。
また、CG全盛の現在では何でもないものに見えるかもしれませんが、
手塗りの彩色がほとんどであった当時においては
このマンガのカラー背景は、どうやって描いたのか
プロのマンガ家でも首をひねってしまうほどに
独創的なものであったと、どこかで読んだ記憶があります。
(ところで、士郎正宗さんは
どこかの大学で教えていたことがあると聞いたことがあるのですが、
一体どこで何を教えていたのか、御存知の方はいらっしゃるでしょうか?)
* * *
それはともかくとして
今回取り上げたのは、タカラ「クールガール」シリーズより
「攻殻機動隊・草薙素子」フィギュア(テレビアニメ版)。
上の写真が、販売された「忍者服」の状態で、
下は「クロスボーグ」用の「レザーコート」や「装備」などを
それに加えてみたもの。
男性用のコートを女性素体に着せてしまったので
サイズが、やや大きすぎますが、
何となく雰囲気は合っているのではないでしょうか。
(実は「ホビージャパン」誌用の
限定版クールガール「草薙素子」のコスチュームを、かなり意識しています)
ただし、この「クールガール」シリーズ、
「素体」はよく動くし、「装備品」は凝っているしで
なかなか良い出来ではあるのですが、
ただひとつ、どの人形の顔も
どうも「日本人好み」ではないことだけが
唯一の欠点と言えるでしょうか。
たとえてみれば、「アメリカ人が思い描く、東洋人の女性」顔
(つまり「キルビル」や「アリーマイラブ」に出ていた
ルーシー・リュウのような顔)だといえば、わかりやすいかもしれません。
